大岩桐草

グロキシニア

あのグロキシニヤの
大きな花の腐つてゆくのを見る様な
私を棄てて腐つてゆくのを見る様な
空を旅してゆく鳥の ゆくへをぢつとみてゐる様な
浪の砕けるあの悲しい自棄のこころ はかない 淋しい 焼けつく様な――それでも恋とはちがひます(高村光太郎